02.一緒にいていい?『ねぇ・・・一緒にいていい?』 俺の目の前の少女はそう言った 『独りでいたくないの』 壁の向こうで何かが壊れる音がする 少女がその瞬間体を震わせたのを俺は見逃さない 『何だ、お前10歳になって一人で寝られないのか?』 ちょっと意地悪したくなって俺は言う 『ちが・・・だって』 まぁ・・・仕方ないのだろう、な 俺と、この少女は血のつながらない兄妹 俺の母親と少女の父親が今の親 再婚は少女が8つほどのころ 突然の母親の出現に戸惑いもあったろう そして10歳 再び母親はいなくなるかも知れない・・・ 『ねぇダメ?お兄ちゃん・・・』 俺はその言葉を聞くか否か、布団をめくり上げた 『えへへ。お兄ちゃん大好きっ』 『今日だけだぞ――』 こうして壁の向こうの騒音と共に今日も夜が更ける―― |
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