絶望の朝

絶望の朝



床には、横たわる『あたし』。

その手首には傷を隠すリストバンドがしっかりとはめられている。

顔は血の気のない白。

けれど何かから解放されたかのように、安らかだった。

足元には錠剤が何粒も転がってる。



あたしが死んだ。







気が付くと、泣いていた。

夢だったらしい。

あたしが、死んだ夢。

ゆっくりと身を起こす。

瞼を擦るとわずかに水が指に絡み付いた。

頭がふらふらする。

ずっと眠り続けていた眠り姫のように。

ずっと醒めない夢を見ていたかのように。



今までのあたしの人生も夢だったらいいのに。







あたしはあたしが死んで悲しいのだろうか。

いまいち感情が希薄で分からない。

ただ、泣いていた。

人間はいつか死ぬのは当たり前なのだ。

その死様を垣間見ただけなのだから。



死に抗い続けるのが人間の宿命だとしたら、あたしは人間ではない。

死にたくないのに、浮いては沈む自殺願望。

空っぽの線路は飛込みたくなる衝動を増幅させる。



あたしは死にたいのだろうか、生きたいのだろうか。

自分でも分からない問いに答えを出す人間はいない。





一つ大きく息を吐く。

鏡に映るあたしは虚ろな眼をしている。

もしも昨日が夢だとしたら昨日のあたしは存在していない。

あたしを認識する人間があたししかいない今のこの空間。

それは存在していると言えるのだろうか。







眼を閉じて、朝が来るのを待てばまた変わらない明日が始まる。

結局はいつもと同じ日常を過ごすのだろう。

日常を変える勇気が無いくせに、日常に退屈しているあたしがいる。



今日も絶望の朝を迎えよう。



あたしは眼を閉じる。



2005 10 12 完



あとがき。


ずばり、暗いです。
でも最近の自分の考えることを繋げて書きました。
いいのか自分。
久々の更新がこんなのでいいのか。
まぁ仕方ないさこんな人間だから。



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