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「マスター…」
「それ以上に私はあなたをかけがえのない存在だと思ってます」
「そうだね…契約なんて、関係ないよね…」
君が僕を必要として。
僕も君が必要で。
それだけで、いい。
「なんか、疲れちゃった…」
「…今は、ゆっくり眠ってください。大丈夫、ですよ」
そう言って、シュベルツはゆっくりと僕をベッドに横たわらせた。
そして、優しい声で歌い始めた。
「子守歌…」
(覚えていたのか…あの子のために、作った最初の歌…)
あの時は、殺すための歌だったから、僕をも死の影を見せた。
けれど、今は、ひたすら心地よい。
シュベルツは、音楽そのもののようだ。
シュベルツの歌が僕は必要で。
いや、シュベルツがもし歌えなくなっても、きっと僕は…。
そんなことを考えていると、眠気が襲ってきた。
恐怖は感じない。
優しい夢を、見ることが出来るような気がした。
(きっと…大丈…夫…)
『大丈夫、ですよ』
シュベルツのさっきの声が、耳に響いた。
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