僕は数十分をかけて、涙を止めなくてはならなかった。
その間、シュベルツはずっと背中をさすっていてくれた。
もう片方の手は、傷を作ったその手を握っていた。
最初にその暖かさを知ったときと同じように、暖かかった。
正直、情けないと思った。
だけど、僕はずっとこんな風に泣きたかったのかもしれない。
僕が涙を止められたころ、シュベルツが言った。
「音がない世界なんて、私には考えられませんが…」
僕は鼻をすすりながら聞いていた。
「例えば耳が聞こえなくなったとしても、声は出ます」
頭はぼおっとしていたけれど、その言葉は力強くて。
「声が出なくなっても肌で音を感じることも出来ます」
「うん…うん、そうだね…」
僕は笑おうとした。
けれど、上手く笑えなかった。
その様子を見たシュベルツは、僕の頭を撫でた。
「こんな時まで笑わなくていいんですよ」
「…ごめん」
「なんで謝るんですか。あなたは私のマスターですから」


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