「え?前に言ってたのは、難しすぎるからって」
「それもあったけど」
叫んだ反動でミュージの呼吸は乱れていた。
私は手当ての終わったその手を片手で握った。
もう片方の手でミュージの背中をさする。
「…人の心に潜む影の歌で…たくさんの人が傷ついたと言った」
その声は、また泣きそうで。
私は思わず言ってしまった。
「自分に嘘をつくのは、良くない」
いつもの敬語が取れてしまったことに、口を出た後に気がつく。
だけど。
「私が歌ってきたミュージの歌は、誰かを楽にする歌だから」
ミュージが呟く。
「音楽は、音を楽しむって書くでしょ?だけど僕のは」
「音で楽にするって意味にも取れませんか?」
ミュージは意外そうに私を見ていた。
「その歌で…楽になる存在が、あったんでしょ?それが自分でも」
それは自己満足とも呼ばれるものだけど。
「自分も救えない歌で、誰かを救えるとは思いません」
私は夢中になってそう言った。
その直後ミュージはまた泣きだした。
その様子はまるで小さな子どものようだった。
「音楽が…音楽がなかったら僕は誰にも必要とされないのに…」
しゃくりあげながらミュージが言う。
「音が、消えていく夢なんて、耐えられなかったんだ…」


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