私は腕を後ろ手に縛られ、外に連れ出された。
外には何人もの男たちがいて見るからに屈強そうで、とても
体力では敵いそうにない。
幸いにも外は曇っていて、なんとか目は使えた。
その時、ミュージが走ってきた。
「シュベルツ!」
(ミュージ!)
「おっと、ミュージ。こいつがどうなってもいいのか?」
ミュージの周りも、あっという間に男たちに囲まれた。
「…やれ」
ミュージに襲いかかる男たち。
(止めろ…)
「止めろおぉ!」
思わず叫んだ私の声に、男たちの手が止まった。
皆が、耳をふさいでいた。
(駄目だ!また傷つけてしまう…)
それでも、ミュージはその隙に男たちの手から抜け出し、私のもとへ走ってくる。
素早く私の縄をほどき、私も研究者から離れた。
そして、楽譜を私に手渡した。
「シュベルツ、これを歌って!」
(しかし、私は、私はセイレーンなんだ…!)
私は戸惑う。
それを見たミュージは私の腕を取り、自分の手首を私の手首――傷痕に、重ねた。
「…!」
「歌え!シュベルツ!!…絶対に大丈夫だから!!」
命令と、私を思いやる言葉が響き、私は歌い始めた。


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