魔王という名のセイレーン

第二章「優しい死神」

1

『魔王…』
声が聞こえた気がして、青年は辺りを見回す。
後ろを振り向くと、猫がいた。
「にゃあ」
猫が鳴く。
振り向いた青年の鼻立ちは、端正なものだった。
「こいつ…」
思わず独りごとのように呟く。
しかし、それは呟きではなく猫に向けたものだった。
答えるように、猫ももう一度鳴いた。
「あれ、シュベルツ」
もう一人、青年がそこに現れた。
「ミュージ」
「どうしたの?こんな町外れまで」
「ミュージこそ。今日は雨だから平気ですよ」
「うん、でも遅かったから、そしたら猫が」
「…にゃあ」
猫は鳴くと、町の家というにはおおよそ遠い、家に入っていった。
「今の猫がね、ここに連れて来たんだ」
「ここに、ですか…」
端正な顔を持つ青年は、家を見る。
「どうしたの?シュベルツ」
「同業者の匂いがしたんです」
「猫、が?」
「ええ…猫も、この家も」
「同業者って?」
「…気にしすぎかもしれません。帰りましょう」
来た道を戻る、二人の青年。
その様子を見ている、一匹の猫。
『見つけた…あの子を救える、魔力を持つ者…』


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