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「シュベルツ」
私は名前を呼ばれ、声のする方を見た。
青年が、ピアノのイスから立ち上がり、こちらに来るところだった。
「ミュージ、どうかしました?」
「これ、新曲。歌ってみて」
私は楽譜に触れると、文字を読むことなく歌い始めた。
声が、家の空気を震わせていく。
ミュージは目を閉じて、その歌を聞いていた。
私が歌い終わると、ミュージは少し考えて言った。
「こっちはどう?」
もう一枚楽譜を出して、私に渡す。
私はやはり、寸分迷わずに声を出す。
「…さっきの方が歌いやすい、ですかね」
「うん、わかった。ありがとう」
ミュージは二枚の楽譜を私から受け取ると、さらさらと書き込みをした。
「にしても…羨ましいね」
ミュージが私を見つめる。
「譜読み、必要ないんだもんね。セイレーンとは言え…まだ不思議」
私はそれを聞いて苦笑いをした。


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