3

私は、魔王と呼ばれていたセイレーンだ。
ミュージは私の契約者…マスターだ。
ミュージが私の封印を解き、契約を交わしてから少し経つ。
それと同時に、ミュージが私の以前のマスターの子孫だと知った。
契約を交わしたものの、ミュージは特に私に命令することなく過ごした。
ミュージはそれでも私を必要としてくれた。
私もミュージとのこの生活が好きだった。
「…あれ?」
私が物思いにふけっていると、ミュージが何かを見つけたようだった。
「シュベルツ、また来てるよあの猫」
「え?」
窓の外を見ると、確かに猫がいた。
一週間前朝の散策で見かけた猫で、あれから何度か猫はこの家にきた。
外は雨雲で暗くなりつつあった。
「入れてあげようか…ひと雨来そうだし」
私はこの猫を家に入れることに、反対していた。
この猫に初めて会った時に感じた『同業者』の匂いを気にしていた。
しかし、今日はこの天気だ。
「そうですね…仕方ないですね」
ミュージがドアを開ける。
それを分かっていたかのように猫はドアの前にいた。
猫と目が合った、その時だった。
『やっと会えたな、魔王』
「!」
「シュベルツ?」
「こいつ…やはり」
ミュージにはその声は聞こえていないようだが、私には分かった。
この猫の、言っていること、そしてその正体も。
『俺の名はタナトス。…死神』


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