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「死神?」
僕がそれをシュベルツから聞いたのは、猫の訪問からしばらく後だった。
シュベルツと猫はしばらく何かを話していた、ように見えた。
正しくは、猫はにゃあにゃあと言っているだけだった。
シュベルツは普通に、人間の言葉で猫に話しかけていた。
シュベルツはうなずき、言葉を続けた。
「ええ、この猫は死神。名前はタナトスです」
「…にゃあ」
「死神…って、誰かを殺しに来たってこと?」
おそらく違うと思いつつも、一般的なイメージを言う。
「人間の世界ではそう思われてますね。でも」
シュベルツは猫をイスの上に乗せる。
タナトスと呼ばれた猫は器用にテーブルに前足をかけた。
「にゃあ、にゃあにゃあ」
「それは人間の勝手な妄想、実際はただ、死を知らせに来るだけ」
「…って言ってる?」
「まぁ…実際、私たちの世界でそういう存在でしかないですね」
「じゃあこの猫…タナトスも」
「にゃあ」
肯定するようにタナトスが鳴く。
「でも、死ぬのは別にミュージじゃないですよ」
「ああ…そう」
ちょっと安心した。
ふと、この猫を見た時に、辿り着いた家のことを思い出した。
「もしかして、あの家」
同じ町外れでも、正反対の町外れだから気にしたことはなかったけれど。
そう言うとやはりタナトスはにゃあと鳴いた。


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