16

「それって…」
「知り合ってそれほどでもないのに…僕らのことや、家族のこと」
あの小さな細い体で、重いものを背負って。
それは病だけではなかったのだろう。
家族は、あの子を見捨てたのに。
僕らは、あの子を殺すのに。
「それとね、シュベルツに伝言」
「伝言?」
「夢の中で言われた。ありがとうって。いつも歌ってくれて…殺してくれて」
「殺してくれて、って…」
思わず私は目に手をやった。
「泣かないでよ、シュベルツ」
「な、泣いてません!」
「そうかなぁ…あ」
ミュージが上を見上げると、雨が降ってきた。
「空が泣いてるみたいだ…」
「はい…私の、代わりに」
「やっぱり泣きたいんだ?」
「え、あ、あの」
「いいんだ…僕も、たまには泣きたい」
ミュージは、うっすらと笑みを浮かべて、空を仰いでいた。
あの子の、最期の顔のようだった。


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