魔王という名のセイレーン
第五章 -飛べない鳥-


01

「どうしたお前…ケガしてるじゃないか」
端正な顔立ちの青年が、一人声を出す。
その視線の先には、小さな鳥がいた。
鳥は、小さく震えていた。
「…声も出せないのか?」
よく見れば、その翼は血で汚れていた。
そして、同時にいびつな形をしていた。
「よしよし…家に帰ったら、手当てしてやるからな…」
青年はその小さな体を自身の大きな手で包み込んだ。
ぬくもりがその手に伝わる。
町外れに向かって青年は歩き始めた。
その口から、わずかに声が音となり空気を震わせる。
それを聞いていた小さなぬくもりは、目を閉じる。
目的地にたどり着いた青年を、あどけない顔の青年が迎える。
「なんだシュベルツ、鼻歌なんか歌って珍しい」
端正な顔立ちの青年が、人差し指を口に当てた。
「鼻歌じゃありませんよ、ミュージ…ここに、小さなお客様が」
「ケガしてるの?手当てしてあげなきゃ」
家から出てきた青年がその手から、小さな客人を受け取る。
まだ、空も白み始めたばかりの、朝のことだった。


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