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「ダメだ!見ちゃダメだ!」
「パロ…ム…?」
小屋の隅の、血溜まりの中の、その体を私はすぐに認めた。
腹の底から何か熱いものが上がってきて、すぐにまた冷えていった。
「そんな…」
絶望と共に、私の頭に上がってきたものは。
『…シュベルツ?』
ミュージの声が遠くに聞こえた。
「うあああああああっ!」
契約に背いた罰と、怒りで私の力は暴走を始めた。
私の叫び声は、小屋を巡り、棚を壊していく。
『シュベルツ!止めろ!シュベルツ!』
体が熱い。言うことを聞かない。
やがて、目の前に一人の男が現れた。
男はひぃっと小さく叫んでその場に座り込んだ。
『…!パロムのご主人の…』
「そうか…お前がパロムを…」
私の体は、暴走しながら男への殺意を全身で放っていた。
『シュベルツ、止めろ!ダメだ!…っつ!』
この力は、今はミュージをも傷つけてしまうようだ。
私はゆっくりと男に近づく。
あと一歩というところで、ミュージが私の腕を掴んだ。
『静まれええええぇっ!』
びくんと体が跳ね、私の中を再び熱いものが駆けていった。
力が収束していく。
私の腕には、ミュージの手首が重なっていた。
その手首からは、血が流れていた。
「あ…」
暴走を止めたのは皮肉にも暴走した契約と同じく契約の力だった。



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