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シュベルツの暴走の話は、思ったよりも町の噂に上がらなかった。
あの男――パロムを殺した男が大金をはたいて近隣住民を抱きこんだらしい。
伝書鳩は、小屋の崩壊ですべて逃げてしまった。
小屋は崩壊したものの、鳩たちは不思議と全部無事に飛び立った。
憎むべきもの以外は傷つけなかった、心がそうさせたのだろうか。
二人の青年はボロボロの状態で家に帰った。
端正な顔の青年はは何回も何回も、もう一人の青年に謝った。
今は家で、互いに傷の手当てをし合っていた。
あどけない顔のの青年が、端正な顔の青年の手首に包帯を巻きながら、ふと呟いた。
『多分…これで、よかったんだ』
鳩たちは、もう自由になったのだ。
それで、いいような気がした。
『でも、私はまた、人を傷つけてしまいました』
『…また、眠りにつきたい?』
『…』
『まぁ、そう言われても僕がシュベルツを眠らせないけど』
僕は包帯の端の始末をする。
今度はシュベルツと言われた青年が包帯を巻き始める。



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