魔王という名のセイレーン
-忘れるという罪-

01

(ない…ない!)
一人の女が早朝の街で何かを探していた。
女は、昨日ここにいたという確信を持っていた。
だから、ここに落したはずのそれを探していた。
(あれがないと私は…)
手を口にあて、無駄にうろうろする。
もう一度、ないとわかっていながら同じところを探す。
「…レティ、さん?」
「!」
青年の声がして、女は振り向く。
そこには二人の青年が立っていた。
眼鏡をした、二人の青年だ。
もう暖かい時期だというのに一人の青年はマフラーで口を隠していた。
先ほど女の名を呼んだ青年が、もう一度女に話しかける。
「このメモ帳、かな?」
「…そうです」
憮然とした態度で女は答えた。
「拾ってくださって、ありがとうございます」
女は二人の青年の元へ歩いていく。
そして、メモ帳を受け取ると、青年たちに問いかける。
「あなた方は…?」
「ミュージ。作曲家。こっちはシュベルツ。そして…」
空は段々と白み始める。
「僕たちは、君の作った詩に興味がある」


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