12

「ボロボロじゃないか…」
「ミュージ、良かった…元気になったんですね」
「あ、うん、すごいすっきりしたけど…もしかして」
(ずっと歌ってくれてたから…?)
「それより…ミュージに見てもらいたいものが…」
シュベルツは立とうとしたが、力が入ってないようだ。
そういえば、長い間歌い続けると、だるくなるって。
「…それじゃあ、シュベルツが風邪ひいたみたいじゃないか…」
「はは…そうかもしれません…」
シュベルツは力なく笑った。
僕も、半分呆れつつも、笑った。
今度は上手く笑えているだろう。
「で?見てもらいたいものって?」
「机の、上に」
「あ、いい。僕が取る」
僕はなんとか机のそばに行ってそれを取った。
(五線、紙…?)
そこには僕の文字ではない、いびつな楽譜があった。
そして、それは聞いたことのない曲だった。
「これ、シュベルツが?」
「ええ…酷いもんですが」
「『音のない世界』…か…」
想像するしかないけれど。
僕も、シュベルツも。
僕はクスリと笑って、シュベルツに言った。
「たまには、僕が歌おうか。酷いもんだけどね」


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