10

「そんな…」
「私には、出来ない!クランを殺すなんて!」
私の叫びに、ミュージも顔を曇らせた。
『けれど、クランはそれを望んでいる』
タナトスが言うと、私はクランの言葉を思い出した。
『もう助からないって、分かってるの…』
『だから、苦しいのはもう嫌…』
『殺して…ください。死神さん』
私は何も言えなかった。
その言葉は、毒だから。
涙を流すしか…出来ない。
『泣かないでください』
細い指が私の頬に触れる。
力の無い、とてもとても細い指。
(クラン…)
「第一…本当に眠るように、殺すなんて出来るのか」
『やってみなくちゃ分からないな、こればっかりは』
タナトスがにゃあと鳴いた。
「やってみなくちゃ?って?誰に、試せるって言うんですか?」
思わずタナトスに怒鳴ってしまう。
段々と、冷静でいられない自分にもイライラしてきた。
私の指が、自分の手首を掴もうと動く。
ミュージがそれを察していち早く私の手を止めた。
「シュベルツ、自分を傷つけるのは止めてっていったでしょ?」
「しかし…」
ミュージは少し考えて、楽譜を取った。
「これ、歌ってみて」
「これは…子守歌?」
「うん。それでね…」


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