12

「シュベルツ…お疲れ」
家から出て来たシュベルツに、僕は声をかけた。
その目の周りはまだ赤い。
「にゃあ…ん」
タナトスもシュベルツに何かを言ったようだ。
「謝ることはない…あの子は、クランは笑顔です」
僕が家の扉をそっと開けると、あどけない少女の抜け殻がそこにいた。
まるで静かに眠っているかのようだった。
もう、苦痛に顔をゆがめることはないのだ。
「…葬ってあげなくちゃね。タナトス、どこがいい?」
「にゃあにゃあ」
「花畑が、少し歩いたところにあるそうです」
「じゃあ、そこにしようか」
「…ミュージ」
「ん?」
「何故、歌を変えたんですか?」
僕は、手を動かしながら、答えた。
「さっき…シュベルツの歌で、見えたものを、歌にしたんだ」
「私の、歌で?」
「そう」
もう冷たくなった少女の体を毛布でくるんで、僕は担いだ。
少しよろけてしまったのは、今言った、シュベルツの歌のせいだろう。
よろけるほど、重くはない。いつもならば。
シュベルツがそれを見て、クランの体を僕から取った。
クランを担いだシュベルツは、やはり言った。


NEXT/BACK
本・漫画・DVD・アニメ・家電・ゲーム | さまざまな報酬パターン | 共有エディタOverleaf
業界NO1のライブチャット | ライブチャット「BBchatTV」  無料お試し期間中で今だけお得に!
35000人以上の女性とライブチャット[BBchatTV] | 最新ニュース | Web検索 | ドメイン | 無料HPスペース