7

タナトスの先導で、私とミュージは病の娘の家に向かった。
私は万が一にでも言葉を発しないようにミュージのマフラーで口を隠した。
家は、一週間前に見たときよりも、随分とボロボロに見えた。
ミュージがドアを開ける。
ベッドには思ったよりもずっと幼い娘が眠っていた。
タナトスがベッドに近づくと娘が眼を開ける。
「ノワール…お客さん?」
「にゃあ」
「えっと、クランちゃんかな?」
「はい。あなたは?」
「僕はミュージ。こっちはシュベルツ。タナトスに呼ばれて」
クランという娘は疑問詞を顔に浮かべる。
「あ、タナトスじゃなくて…」
「この子はノワールよ。真っ黒だから…っ」
ゴホゴホとクランが咳をした。
咳をした後も、顔が引きつっていた。
クランの体を痛みと苦しみが襲っているのが分かる。
(咳のしすぎで鎖骨もいっているかもしれないな…)
タナトス…もといノワールはクランから離れ、薬のシートをくわえ戻った。
「ありがとうノワール」
そう言って受け取った薬のシートは何枚もあった。
(こんなに多くの薬を飲んでいるのか)
「いつもこんなに薬を?」
ミュージも同じことを思ったのだろう。
「はい…これは気管支を広げる薬、これは咳止め、これは痛みどめ…」
カラフルな錠剤が並ぶが、ちっとも綺麗に見えなかった。
クランは薬を飲んでしばらくすると、うとうとし始める。
姿勢を変える度に苦痛に顔が歪んでいた。
ミュージと私は顔を見合わせて、私は歌い始めた。


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