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僕とシュベルツがクランの家に通うようになって、数週間が経った。
最近は、日差しが強くなければシュベルツ一人で行くこともあった。
たった数週間。
なのに、クランが衰弱しているのは手に取るように分かった。
シュベルツ一人で、というのは僕が喋る必要がないことが多くなったから。
シュベルツが家に行くと、ほとんどクランは眠っているらしい。
そして、やはり苦痛に襲われているようだった。
タナトスはしばしば僕らの家に来て、僕らがいない間の様子を告げる。
回復の兆しは見られないが、眠りは深くなっていると言っていた。
タナトスは僕らに感謝をしていた。
深い眠りをもたらすだけでなく、孤独を薄めてくれたことに対して。
けれど、少しでも死に関する話題はだんまりを決め込む。
それが、クランに直接関係なくても。
今日もシュベルツはクランの家に行っていた。
カタンとドアの開く音。
「シュベルツ、おかえり。タナトスも一緒だね…ん?」
シュベルツとタナトスの様子がなんだかおかしい。
「どうかした?二人とも」
シュベルツは赤い目をしていた。
涙をこすった痕だ。
タナトスの耳は垂れていて、やはり悲しそうだった。
「今日、私が歌っていたら、クランが眼を開けて…」
「…にゃあ」
「タナトス?シュベルツ…タナトスはなんて?」
「クランが…殺してくれと言いました」


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