05

シュベルツも僕につられたように笑ってくれた。
真似でもいい。笑ってくれれば。
そう思いながら、鳩にまた尋ねた。
「ケガしてるから、僕が君の家まで送り届けようと思うんだけど」
「…大丈夫ですかね、またケガさせられたら…」
シュベルツが、シュベルツ自身の言葉で言った。
「うーん…でも、ご主人様が心配してるかもしれないよ?」
「その、ご主人様なんですが、病気で先がもう長くないみたい、で」
「…え」
僕は思わず聞き返してしまった。
思い出すのは、クランのこと。
僕も、シュベルツもきっと思っているだろう。
この手で葬った小さな少女のことを。
でも、だけど。
僕は精一杯明るい表情を作り、また言う。
「だったら、余計だよ!そばに、いてあげなくちゃ、ね?」
「…そうです、けど」
シュベルツも賛同してくれた。
「ちなみに、君の名前は?」
鳩は、すぐには答えなかった。
「識別番号は“ゼロ”だそうです」
「えーそんなの味気ないよ…そうだな、パロム。パロムがいい」
僕はパロムを抱き上げた。
「よし、おうちに帰ろうね、パロム。じゃ、行ってくるねシュベルツ」
シュベルツはまだ少し迷いを消せないでいた。
そんなシュベルツに僕はこっそり言った。
「ついでに、そのご主人様の弟っていうのも探り入れてくるから、ね?」


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