06

レティという女性は、シュベルツの言うとおり市場で見つかった。
日が昇ってきたので僕とシュベルツと彼女は僕の家に移動した。
改めて、レティは言った。
「メモを拾ってくれて、感謝している。本当にありがとう」
「ううん、いい詩に会えて僕も嬉しかったし」
そういうと、彼女は少し顔を赤らめた。
うつむいたその視線がメモに移った時、彼女は思い出したように言う。
「あ、名前、もう一度聞いても?」
レティはどこから出したのか、鉛筆を手に持っていた。
「僕はミュージ。こっちが、シュベルツ」
「ミュージと…シュベルツ」
繰り返して、メモに書き込んでいく。
「…あの…なんで、こんなにメモを?」
少しその手が止まった気がした。
「あ、答えづらかったら答えなくていいよ」
レティは少し考えて、じゃあ、と言った。
「今は…答えない。答えられない…」
「…そう。話したくなったら話してね」
「すまない」
レティはその体に何を抱えているのだろうか。
大量のメモ用紙を持っている様子は、正直尋常だと思えなかった。
「ところで」
レティは紙に文字列を書き終わって、言った。
「シュベルツは、何故話さない?」



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