07

シュベルツは彼女に指摘されて、目を泳がせた。
「…」
シュベルツはセイレーンだ。
その声はおそらく彼女にダメージを与えるだろう。
だけど、それも話していいものだろうか?
考えていると、シュベルツは困ったように僕を見た。
「シュベルツは…ちょっとワケを抱えていてね、今は話せない」
「今、は?」
「うん。ワケって言うのは…そうだね、秘密。今はね」
レティはそれを聞いて自嘲気味に笑った。
「交換条件?」
「そういうつもりはないけど、それでもいいね」
「…わかった。私が答えなかったことを、答えたら。話せるときに」
レティはそう言って席を立とうとした。
そういえば、と不安になる。
噂通りで言うと、彼女にはもう会えないかもしれない。
「また、会える?」
「…何故?」
何故と聞かれると、少し決まりが悪い。
「会いたいから、じゃダメかな?それに、君の詩に興味があるんだ」
「そう、か…」
レティはそういうと、さらさらと一枚の紙に何かを書いた。
「これ、持っていてくれ」
「え…これ、さっきの詩?僕が持ってても大丈夫なの?」
「移したから…それを見せてくれればミュージとシュベルツだと分かる」
そして彼女は、少し微笑んで言った。
「きっと…ミュージとシュベルツは、忘れない。私の詩を誉めてくれたから」
その笑顔に、僕は何か儚いものを感じた。



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